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緊急縫製・特急縫製詳細


2023.04.19

緊急・特急縫製のニーズと対応について…C3-NETが取り組むきっかけ。

 

【そもそも緊急・特急縫製とは】

様々な縫製製品(アパレル製品・クリエイター作品・イベント企画用途などに)において、C3-NETには度々緊急・特急での製作相談を頂きます。

しかしなぜこのように、割高になる依頼をしなければならないのでしょうか。
そこには当事業所の経験上、様々な要因があることが分かってまいりました。
その一部は以下のようになります。

① 生産計画に無理のある受注
② 生産対象の見落とし
③ 不良を含む予期せぬトラブルによる作り直し
④ クライアントの決定の遅れ
⑤ 予定外の依頼

だれも望んだ結果ではないのですが、どうしようもない状況は、誰にも起こりうるということです。

 

【回避できないから緊急・特急依頼となる】

先の①‐⑤を回避できない結果、緊急・特急のご相談を頂くことになりますが、過去の事例からいくつかを以下に挙げてみます。

1) 生産をロストしていたケース
アパレルが商社に依頼していたシリーズが、丸ごと生産されておらず、定められた納期に間に合わなくなった。
自社販売商品であれば、納期遅れでも対応が可能だが、この場合デパートとのコラボ企画で広報を行っており、日時は絶対でありどうしても必要であった。

2) 企画に時間を要し過ぎたケース
展示会サンプルのメインアイテムの企画に時間がかかり、縫製に割り当てられる時間がほとんどなくなってしまった(この場合生産の責任とは言えない)。
既存取引先数社に連絡をしたが、どこも対応できないと当事業所に依頼があった。

3) 思った通りのものが仕上がらなかったケース
OEMメーカーに依頼していた、イベント出店用ビーズクッションが、依頼(イメージ)通りに仕上がらず、作り直しが必要になった。
その時点でイベント直前であり、OEMメーカーは「これ以上のものはできない」ということで、新たに当事業所に依頼があった。

4)演出の変更が突然決まったケース
CM撮影の直前になって演出に変更があり、別注ビーチパラソル20本が急遽必要となった。
プリント加工したうえで極短納期で生産する必要があると相談があった(直前まで決定しない、または変更があるのは、広告業界ではよくあることかもしれません)。

このように避けたくても避けられない、そんなケースはモノづくりを続けるうえで、誰もが直面する可能性があります。

 

【緊急・特急対応は割の良い仕事か?】

依頼はスポットであることが多く、その後のお取引に結び付くことは多くはありません。
また時間との闘いですので、深夜早朝を問わず動かなければならないことがあります。

エピソードのひとつですが、緊急対応の流れの中で、羽田で22時にピックアップした資材を、翌朝8:30に福山市に届ける必要があった時には、困り果てました。
新幹線でも、車でも、飛行機でもどうやっても計算上間に合わなかったのです。
当時のGoogleルート検索でも無理でした。
それでも方法がないかとスタッフと相談している中で、最終22:55発北九州行きスターフライヤーで移動、北九州空港から福山市にレンタカーで逆戻りして間に合わせたこともありました。

話が横道に逸れましたが、このように割の良い仕事とは申し上げづらいのも事実です。

更に申し上げると「時間が無い=絶対に失敗できない」という、当たり前の条件が付与しますので、お客様のOKを頂くまでは強い緊張が続きます。

 

【なぜC3-NETは対応を続けるのか】

ならばなぜ依頼を受ける?もしかしてめちゃくちゃ儲かるから?とお考えになられるかもしれません。
ビジネスですから赤字では行えませんが「めちゃくちゃ」儲かる訳ではありません。
明確な別の理由があります。

これには過去に経験したひとつの仕事が大きく影響しています。

かつて業務委託として在籍していたOEMメーカーのお客様から、予定にないサンプル数点を2泊3日で仕上げて欲しいという相談がありました。
予定外、コレクション時期と重なって、既存のサンプル縫製依頼先はもう全く入る余地はありませんでした。

インターネットで「緊急 縫製 アパレル」などで検索しても、その頃はまだクリーンヒットする時代ではありませんでした(最近ではSEOに力を入れている事業者様も増えたようです)。
少しでも可能性のありそうな量産、サンプル問わず縫製現場に片端から電話をして、ようやく請けて頂ける事業者にたどり着きました。

ただし先方からすれば飛び込みですから、条件としては当然「現金100%先払い」。
これにはOEMメーカートップの決済はおりませんでした。

「どんなものが仕上がるかわからない工場に先払いはできない」
「そこまでして儲からない仕事をする必要はない」
「他の仕事をしてくれ」

私は相談者であるアパレルの担当者と仲が良かったこと、そのブランドが好きだったこと、業務委託という立場であったことから、個人的にこの仕事を引き受ける許可をなんとか得ました。

結果的に納期通り、素晴らしいサンプルを仕上げて頂くことができました。
そしてそれを引き渡し時に頂戴した、お客様からの感謝の言葉と、喜びの顔を今も忘れることができません。

ボランティアではありませんので、綺麗ごとだけで事業は継続できませんが、今も事業の一部(主要な位置づけ)として継続するのは、感情に響くなにか…高揚感のようなものが影響をしているのだと思います。

 

【緊急・特急対応の現状(2023年4月現在)】

ウェブサイトにも書いております通り、現場の状況や依頼の条件によって可能な対応日数は大きく変化します。

特に2020年から新型コロナウイルスの影響で、国内の生産背景はオーバーフローに近い状態が続いています。
それ以前のレベルで対応できるか否かと問われますと、「厳しい状況が続いている」とお答えすることになりますが、その中でも常に最善、最速の結果を回答できるよう心がけております。

「納期通り」ということは、会社や事業者の信頼を得ることであり、ひいては成長と資産の保全へと繋がります。

困っていても、困っていなくても、どんな些細なことでも、壮大すぎることでも、ちょっと聞いてみたい…C3-NETはいつでも大歓迎です!

ヨモ タケシ